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まだ小学生だった頃、田舎に帰るのにバスをよく使った。鹿児島のバスセンターを16時50分に出て、到着は18時51分。それが、直通で走る最終の特急だったから、今もよく覚えている。
10年経った。久しぶりにバスで帰ろうと時刻表を見たら、当時のダイヤがそっくりそのままだった。祖母の家には、小学生の時に私が書いた時刻表が、そのまま張ってあった。
もともと、路線バスの運行というのは、許認可でがんじがらめ。バス停を10m動かすのも申請が必要で、バスのダイヤもお上が認めなければ、何一つ勝手ができなかった。実際がどうだったか、私はその内実を知らないが、少なくともそう聞かされてきた。
だから、バスのダイヤというのは、余程のことがない限り変わらないものと思っていた。93年当時、全県の時刻表を集めた時にも、それ以前の記憶していたダイヤと大きく変わったところはなかった。
世の中は規制緩和に動いた。免許が許可になり、許可が届け出で済むようになった。これは、バス事業者の裁量が大きく認められたという意味では大きく評価されて然るべきで。私も概ねよかったと思っている。
が、これと関係しているのかいないのか、バスのダイヤはこれ以降次から次へと「改正」の名のもとに変更が相次いだ。それまで「台帳」に記入していたものが、この頃から電算化され、修正が容易になったことも影響しているのだろう。10年もダイヤをいじらないというのは、それはそれで問題だと思う。しかし、変わらないものは告知の必要がない。かつては、それでよかった。
ところが、世の中は常に動いている。県内間の中長距離輸送におけるバスの役割が大きく低下してきている今、通しの旅客がほとんどいないのに、旧態然と長距離便を運行し続けるのは、あまりに需要とかけ離れてしまっているから、見直して当たり前である。需要の現実に合わせてダイヤを見直すから「改正」だろう。
バスのダイヤ改正は、だいたい1週間前にバス停への掲示で告知される。その範囲は、概ね営業所単位である。例えば、鹿児島の営業所が4月1日にダイヤ改正して、地方の営業所が4月20日に改正したりする。鹿児島には、バスの営業所がいったいいくつあるのだろう。それぞれの営業所が、年に1回見直しを行ったとして、年に何回ダイヤが改正されるのだろう。
鉄道と違って、バスの時刻表は市販されていない。観光地の路線については、抄録で、巻末に申し訳程度に載っているが、これも編集の締切の都合上、ダイヤ改正が反映されるのは2ヶ月以上先になることが多い。
それでは、バスのダイヤ改正の情報は、いったいどうやって入手すればいいというのか。
世の中にインターネットが普及する中で、時代の要請としてバス事業者が開設するホームページも日を追って充実してきた。インターネットの利点は、その情報が早いこと、利用者が任意かつ手軽に情報を入手できることだろう。費用対効果を分析せずとも、ダイヤ改正の告知手段としては、この上ない情報媒体であるのは間違いない。
しかるに、鹿児島のバス事業者はホームページがまるでなってない。バスファンが、そのホームページでなんとか時刻表を掲示して、全国の、せめて「バスに乗ろうとする人」の手助けをしようとすることは、至極当然のことだと思う。
高い理想のもとに、時刻表を掲載したはいいが、とにかく各地でダイヤ改正が次々行われる。告知がなく、現地に行かないと分からない。営業所で時刻表を求めても、全線分となると怪訝な顔をされる。ひどいところになると、コピー代500円請求しますなどという。改正の情報は、バス停にわずか7日間しか掲示されない…。せっかくホームページに掲載したダイヤも、改正されれば「間違った情報」になってしまい、それを確かめる術もない。時には、ダイヤが間違っていたことに対する、厳しいお叱りも受ける。それでも、時刻表を掲載し続けている。
あまり批判はしたくないが、鹿児島のバス事業者は、バスを利用しようとする人に対して、あまりに冷たい。なんとか、手軽にバスの運行ダイヤを知ることはできないものだろうか。ダイヤを手軽に変更できるようになったのなら、利用者にも、その情報が、手軽に伝わるようにがんばってもらいたいものだ。
いつか、バスのダイヤが公式サイトで入手できるようになった時には、私のホームページの時刻表は役割を終える。早くその日が来ることを切に願っている。

バス停に張られた時刻改正の告知文。これ以外に改正を知る手だてはない。 |
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※許認可
バス停の認可の話題は、よく「お役所仕事」の批判に使われた。道路改良の結果、通行帯が変わっても、バス路線の変更には時間がかかり、そのまま旧道を走り続けるケースが散見されたのもその影響といわれている。(この場合、バイパスと旧道との関係と異なるのは説明するまでもない)
※告知を軽んじるということ
1週間前までに告知するのは、規則で決まっているからであって、事業者側はどうもそれ自体をあまり重要視していないようである。以前は、新聞の折り込みに時刻表を入れたり、テレビコマーシャルが流されたこともあった。
バス事業者の事務方は、合理化で最小限の数にまで減らされている。おそらくは、締切ギリギリにしか動けない体制で、チェック機能も働かず、余裕もないのだろう。
コスト削減は当然必要だが、削減することだけが目的になって、その効果が検証されていないように感じる。コスト削減の効果以上に収入が減ってしまうようでは、本末転倒であるが、組織が大きくなると、それが見えなくなってしまうようである。
※時刻表ホームページ
時刻表のホームページは、とにかく苦労の割に報われない。時刻表についての苦情はもらっても、感謝のひとことも、もらうことはない。
こんなことをボランティアでやっているのは、ひとえに、バスが好きだからだ。バスが好きで、バスの利用者が一人でも増えてくれたらと願うからこそ、苦労を買って出ている。
事業者のトップが、どのように考えているのか、私は知らない。ただ、現場の人間は優秀な人材が揃っている。皆がそれぞれ理想を持ち、日々頑張っている。それを知っているだけに、もどかしくてならない。何が不足して、必要なものが何か、社内にその答えを持っている方は数多い。それが業務に活かされないとしたら、その事業者に未来はない。
ダイヤ改正の取扱いひとつとっても、またしかりである。 |