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かつて「林田熊一朗」というハンドルを使用していたことからも分かるとおり、私は元来林田バスのファンである。
小学生から就職するまでの15年ほどを、鹿児島市内では貴重な、林田バス独占路線圏である千年団地で過ごした影響が大きいと思っている。
実は、ホームページを開設した当初、林田バスについての知識には自信があったものの、それ以外の事業者については、どんな車両があるのかさえ知らなかった。「路線」についての興味は幼い頃から持っていたので、各社の路線網については分かっていたが、web上で重宝する知識ではなかった。
ホームページをはじめて、最初に作った写真館は「林田バス」のものだったが、私は、このコーナーのタイトルを「林田バスが好き」とした。他事業者のコーナーを作るときにも、「が好き」を改めることはなかった。意図的にそうしていたのだ。
林田バスのファン同士には、妙な連帯感がある。噛めば噛むほど味が出てくる、「都こんぶ」のような事業者なのだ。
年式の古い車を大事に使うことで、近年は有名になっていたきらいがあるが、それ以外にも3軸スーパーハイデッカーを県内初導入し、他社の動きをまったく無視して、こだわりつづけた姿勢にもファンは多い。
他にも、時刻表があてにならない。営業所では時刻表を配布しない。1日1本のバス停には時刻表を張らない。方向幕はすぐに紙で代用する。「急行」をどこにも表示しない急行がある。営業所でありながら回数券が品切れになる。他社なら回送にするような入出庫系統まですべて客扱いする。高速道路系統に板バネ3扉車を平然と走らせる。始発地では所定より通常5分程度遅らせて発車する。車内にはラジオが普通に流されている。ダイヤ改正は「担当者」の仕業ごとに動かすので、「何時を動かすか」ではなく「誰を動かすか」という話題になる。営業所単位で別会社同然で、連絡がとられていなかったり、「相互乗り入れ」状態で休憩所を共有していなかったり…挙げればきりがない。
利用者としては、使いにくいことこの上ないのだが、かえってそれが「通好み」になってしまっているのだろう。利用者が詳しくならざるを得ない。否、「詳しくならなければ使えない」、玄人好みの事業者なのだ。
この会社に完璧を求めてはいけない。それが林田バスファンの合言葉。愛すべき、「イイ会社」、林田バス。昔から、そして今も私はこの会社をひいきしている。
サイトが大きくなるにつれ、どの事業者にも平等に対応したほうが、何かと都合がいいことを実感している。だから、名称に使ってきた「が好き」は削った。
もちろん、どこの事業者も好きなことには違いないから、表面上はひいきを嫌味と感じない程度に抑えて編集している。解説の文章がちょっと「ウンチク」くさくなっている程度だと思う。
でも、バスファンなら、誰しもがひいきの事業者があるはずなのだ。少々開き直り気味なのを自覚しつつ、本稿はこのへんで収束したいと思う。

車体更新後も旧塗色を踏襲した林田バス。この気まぐれさがたまらない。 |
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※千年団地のバス通学
花野小学校、伊敷台中学校が開校する前の千年団地は、それぞれ伊敷小学校、伊敷中学校の校区だった。距離がある上に、途中民家のない山道を1キロ以上も歩かなければならないため、小学1年からバス通学が認められた。この団地、このためかどうか知らないが、バスファンが実に多い。
※愛すべきイイ会社
93年に、私と友人は一念発起して各社の全線時刻表を取り寄せた。各社、時間がかかったもののきちんとした形のものを出していただいたのだが、林田バスについては利用者向けに発行した時刻表の寄せ集めに、担当者が「?」マークを付けていたり、修正液で修正していたり、それは「発掘資料」のような状態で出てきた。この時刻表は、今や家宝になっている。 |